2014年に発行され、漫画化、映画化もされた伊坂幸太郎さんの作品です。
6つの短編からなりますが、全てどこかでつながっているストーリーは伊坂幸太郎さんならではの展開。読んでいて、その小さな気づきが楽しい作品です。
斉藤さんとは
今回、印象に残ったのは【斉藤さん】
これだけ聞くと「なにそれ?」って感じですが、なかなか興味深い人物です。
斉藤さんは、自分の今の気持ちや置かれている状況を伝えると、それに合った曲の一部を流してくれる人。たったそれだけでも、依頼者の気持ちにマッチしていて心地よい気分になるらしい。スタンスは違うけれど、路上にいる悩み相談や占いのように待機し1回100円で受け賜わっている。
選曲もとても早くて、すぐにキーボードを叩いてテンポよく流してくれる。こちらの話を理解して短時間で絡んだ糸をほどいてくれる、そんな人がいれば、ぜひとも実際に会ってみたいです。
斉藤さんの仕事場
斉藤さんは、路上でお仕事をしている設定です。オフィスの会議室でよく使用されている長机上にノートパソコンとスピーカー、マウス、お金を入れる箱、『斉藤さん 一回百円』と書かれた立札を置きました。
さて、お話の中で依頼者側に椅子はないと描写があったけれど、斉藤さん側については特に記載がなかったので斉藤さん用にパイプ椅子を作りました。お客様が来るまで立ったまま待っているのは辛いですよね。
パイプ椅子の枠はアルミのワイヤーを使用、背板と座面には合皮を使用しました。一応、折り畳み出来ます。少し浮いているのはご愛敬。長机は残念ながら折り畳み式ではありませんが、天板の下にものを入れる棚を付けました。
スピーカーには、バレエ衣装に使われるチュチュ用の素材を使用してそれっぽく見せました。
本当は、ケーブルでパソコンとつなげたかったのだけれど、暴れてうねうねしたのでワイヤレスの設定にしました。
2個組にしたけれど、もっと小さい簡易的なものでもよかったのかも。
映画
小説は面白かったけれど、映画の評価は賛否両論のようですね。
確かに小説では佐藤のエピソードは少なく、ほかのキャラの話の方が印象深かったから、映画の予告やポスターを見ても最初はどの人が主人公なのかわからなかった。
私は映画を見ていませんが、斉藤さんはどうやら違う形で出て来るようです。少し残念。すごく早く選曲してくれる様や、依頼主の話をいち早く理解して大きく頷いてくれる仕草を見てみたかったです。
曲
斉藤和義さんの『ベリーベリーストロング~アイネクライネ』の歌詞は、この小説を基に書かれているので、本を読む前にあらすじを知りたい方は歌詞を見るのもいいかも。
小説と映画の斉藤さん
ちなみに小説の中では、お話の終盤、斉藤さんは別の場所に移動していますが、その際は小さなテーブルで営業していて長机ではありません。
小説と映画での斉藤さんの違いを見比べてみるのも楽しいかもしれませんね♪
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