塩の柱・・・塩の街/有川浩

ミニチュアのリュック creation

2003年に電撃小説大賞で大賞を受賞された有川浩さんのデビュー作品です。

有川さんの作品を読むのは初めてで、タイトルからSFものだと想像はしていたものの、まさかラブストーリーだとは思いませんでした。

あらすじ

実際に軸はSF。しかも、詳細な自衛隊についての描写もあるので男性でも楽しめます。後から自衛隊3部作の第1作目と知り納得。しかし、お堅い内容だけではなく、新井素子さんの『ひとめあなたに・・・』のようなSFの中に恋愛要素があるお話だったのですんなりと入ることが出来ました。

塩が埋め尽くす世界。塩の塊を見続けることで人が塩化してしまう塩害。物語は、既に事が起こった後から始まります。主人公は真奈ちゃん?秋庭さん?着実に塩の被害が広がる中、お互いの視点で物語は進む。

なぜ人が塩化してしまうのか、解明されていない状況の中、色々な人との出会いや塩害との闘いなどを経て自分にとって大切なものとは何かを探していきます。

一番印象に残ったもの。

それは、遼一の背負っていたリュックの中身。これを作ってしまうとネタバレになってしまうので、作るまでにかなり悩みました。頭の中では想像出来ているのに・・・。悶絶。。

というわけで、リュックだけ作りました。関口妙子さんのミニチュア小物の本を参考にしながらリュックを作ったけれど、かなり重たいものが入っていたので今一度バッグパックに変更して作成。きちんと蓋が開いたり、紐の長さが調整出来る仕様になっています。

リュックの中身

物語の最初に出会った遼一が背負っていたリュック。真奈や秋葉には決して持たせなかったリュック。中身は全然想像していなかったものだったので、かなり衝撃的でした。

後から考えると、読んでいた時の私も後に出会うノブオと同じく塩害自体が他人事で(小説なんだから他人事なのは当然なのだけれど)、読んでいて風景は頭に浮かんで来るけれど、塩の柱について深く考えていなかったことに気が付いた。

きれいな海を目指していた遼一。同じ立場だったら、女の私でもきっと同じ行動を取っていたと思う。塩害が進む世界は通信網が破壊され、物販や流通などもままならず今より悲惨な世の中だけど、そんな状況でも人々の心の中は何も変わらないのかもしれない。

危機的状況での選択

物語の後半、自衛隊の寮でルームメイトが塩化した時にきっぱりと自分の心の内を伝える由美。塩化の特効薬はなく、伝染るかもしれない状況なので、いくら仲がよくても修羅場と化す。病院に行けと言われて見捨てるのかと泣きわめくルームメイト。

でも、本当はどちらが冷たいのだろう。本当に大切に思っているのなら、自分が塩化した時、伝染るかもしれないので大切な人からは真っ先に離れなくてはいけないよね。塩化した友人に冷たい態度を取った由美だけではなく、塩化したルームメイトも結局自分のことしか考えていない行動を取っていることに気が付いた。もし自分だったらどんな態度になるだろう…。

お互いが本当に大切だと感じていれば、おのずと自分を捨てられる。実際にはその状況になってみないとわからないことだけれど。私の一番はやっぱり家族かな。特に子供。救うためなら何でも出来るかな。出来ることはないかもしれないけれど(笑)世界を救うにしても、やっぱり大切な人を守ることが先決。

色々なことを考えさせられるお話でした。ぜひとも自衛隊3部作の『空の中』『海の底』も読んでみたいです。

でも、未だにリュックの中身を知った時の衝撃は消えない。時間があれば、リュックの中身も作ってシークレットページで公開しようかな?(笑)

おまけ

文中で『リュック』となっていたのでこちらでもリュックと表現しましたが、私のイメージでは『リュック』ではなく『バッグパック』だったんですよね。なので上部で開閉出来る形で作り直しました。

しかし調べてみると、バッグパックもリュックサックも同じ背負うもの。大きさのイメージが違い、

デイパック < リュックサック < バッグパック

となっているようです。

遼一の中身がみっちりと詰まった大型のリュック。

イメージ通り表現出来ていると嬉しいです。

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